美容師にもタイプがある

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美容師にもタイプがある!?

私は以前まで、歯医者はどこも同じだと思っていました。
ですが、あるとき本当に上手な歯医者さんに出会い、「歯医者にも上手い下手があるんだ」と気づいたのです。

自分も長く美容師をやっているのに、よく考えれば当たり前のことでした。
技術職である以上、技術力に差が出るのは当然です。

器用か不器用か。
練習量の差。
育ってきた環境。
技術を売りにする組織なのか、接客を売りにする組織なのか。
新しい知識や技術を学び続けているかどうか。

ひとくちに「技術力の差」といっても、その背景には無数の要素があります。

さらに言えば、技術にも種類があります。
Aは得意だけれど、Bは少し苦手。
Cはほとんど経験がない。
そんなことも十分にあり得ます。

以前勤めていたサロンで、こんな言葉をかけられたことがあります。

我々は“感性の伴った技術”を買っていただいている。

この言葉には、三つの意味があると教わりました。

一つ目は、機械ではないのだから、自分らしさを技術に反映させなさい、ということ。
二つ目は、感性を乗せる以上、その感性を常に磨き続けなさい、ということ。
三つ目は、お客様は“技術そのもの”だけでなく、“その人の感性”を選んでいる、という意識を持ちなさい、ということ。

技術は人が行うものです。
だからこそ、その人となりが、必ず技術ににじみ出ます。

これは、白髪ぼかしにも同じことが言えます。


白髪ぼかしにも、実はタイプがある

「白髪ぼかし」とひとくちに言っても、実は方法は多岐にわたります。
だからこそ、「白髪ぼかしとはこれだ」と一言で定義するのは難しい技術です。

大きく分けると、次の三つに分類できます。

  1. 馴染ませ染め
  2. 明るく染める方法
  3. デザインでぼかす方法

どれが正解というわけではありません。
お客様の髪質、白髪の量、ライフスタイル、そして理想像によって使い分けていきます。

ですが、実はもうひとつ基準があります。

それは――美容師の好みです。

これはヘアスタイル全般にも共通しますが、美容師は基本的に“自分が好きなテイスト”を最も上手に作ります。

個性的な雰囲気が好きな人。
フェミニンが好きな人。
クールでかっこいいテイストが好きな人。

好きだからこそ、どこがポイントなのかが手に取るように分かる。
どこにこだわるべきかが自然と見える。
だから結果的に、好きなテイストはより完成度が高くなるのです。

もちろんプロとして、どんな要望にも応えられる努力はします。
好み以外のスタイルも真剣に学びます。

ですが正直に言えば、そのスタイルを心から好きな美容師には、やはり敵わない部分があるのも事実です。

なぜなら、好きという感情は、技術を一段階引き上げる力を持っているからです。


美容師選びとは、相性選び

ご新規のお客様は、本当にさまざまなタイプの方がいらっしゃいます。
そのすべてに全力で向き合います。

ですが、もし
「なんとなくしっくりきた」
「説明がなくても分かってくれている感じがした」
「仕上がりが自分の理想とぴったりだった」
そんな経験があれば、それはきっと技術だけでなく、感性の相性が合ったということです。

美容師にもタイプがあります。
得意分野もあれば、好きなテイストもあります。

そしてお客様にも、似合うスタイルだけでなく、
“心地いい美容師のタイプ”があるのです。

白髪ぼかしも同じです。
どの方法が正解かではなく、
誰の感性で仕上げてもらうかが、とても大切です。

もし今、白髪ぼかしで迷われているなら、
技術名だけで選ぶのではなく、
「この人の感性、好きかもしれない」
そんな直感も、大切にしてみてください。

美容師選びは、技術選びであり、
そして“相性選び”でもあるのです。